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ゼンリン北九州本社視察を実施



はじめに


2024年6月19日、私たち一般社団不動産建設データ活用推進協会(PCDUA)のGIS人流データ委員会は、株式会社ゼンリンの本社がある福岡県北九州市を訪れました。ゼンリン社は地図データの提供を中心に、多岐にわたる事業を展開している企業です。今回は、ゼンリン社の歴史や事業内容について学び、その先進的な技術とビジネスモデルを詳しく理解することを目的としました。


ゼンリン社の歴史と事業概要


ゼンリン社は1948年に大分県別府市で創業されました。創業当初から地図の制作に力を入れており、1984年には地図データベースを確立しました。1990年にはカーナビ用地図の提供を開始し、その後も歩行者用地図や先進運転支援システム向け地図の研究開発を行うなど、常に時代のニーズに応じた製品を提供してきました。2016年には新たにマップデザインビジネスを開始し、地図の持つ可能性をさらに広げています。

ゼンリン社は、北九州市にある本社のほか、東京千代田区にある東京本社を含む国内約70の拠点を展開しています。各拠点では、開発や制作、営業といったさまざまな機能が配置されており、全国規模でのサービス提供を実現しています。


見学の流れ


見学はゼンリン社の本社ビルに到着するところから始まりました。同社の歴史や事業内容について詳しい説明を受けました。その後、実際の地図制作の現場を見学する機会を得ました。

見学の際には、ゼンリン社の地図データの作成プロセスについて説明を受けました。地図データは非常に精密で、道路の幅や建物の高さといった詳細な情報までが含まれています。これらのデータは、カーナビや歩行者用のナビゲーションシステム、さらには自動運転車の開発にも活用されています。


また、地図デザインの部門も見学しました。ここでは、地図の視覚的な美しさや使いやすさを追求するための工夫がなされており、ユーザーが直感的に情報を理解できるように配慮されています。ゼンリン社の地図は、その高いデザイン性と実用性が評価され、多くのユーザーから支持を得ています。


先進技術の導入

ゼンリン社は、最新の技術を積極的に導入することで、常に地図データの精度と品質を向上させています。例えば、ドローンや衛星画像を用いたデータ収集技術の導入により、従来の方法では難しかった詳細な地形情報の収集が可能になりました。また、AIを活用したデータ解析により、地図データの更新スピードも飛躍的に向上しています。

特に印象的だったのは、先進運転支援システム(ADAS)向けの地図データの研究開発です。このシステムは、自動運転技術の実現に不可欠なものであり、ゼンリン社はその分野においてもリーダーシップを発揮しています。高度な地図データを提供することで、安全で効率的な自動運転を支援しています。


ハイブリッドミーティングでの議論

見学の後、現地参加者とオンライン参加者を交えたGIS・人流データ委員会の定例会議をハイブリッドミーティングが開催しました。このミーティングでは、不動産およびGIS関連のデータ利活用やデータサイエンティスト育成施策について活発な議論が行われました。


現地参加企業:

ゼンリン

GAテクノロジーズ

東京大学不動産イノベーション研究センター(CREI)

YX Partners

NTTコミュニケーションズ

デジタルベースキャピタル


オンライン参加:

SIGNATE

LIFULL

三菱地所

各企業からは、データの利活用に関する具体的な事例紹介や、今後の方向性についての意見交換が行われました。特に、ゼンリン社の高度な地図データを活用した新しいビジネスモデルの提案や、データサイエンティストの育成に向けた教育プログラムの構築については、多くの参加者から高い関心が寄せられました。


終わりに


今回の視察を通じて、ゼンリン社がどれだけ多様な分野で活躍しているかを実感しました。地図データの提供にとどまらず、先進技術の導入や新たなビジネスモデルの開発にも積極的に取り組んでいる姿勢は、非常に感銘を受けました。

ゼンリン社の地図は、私たちの日常生活を支えるだけでなく、未来の技術革新にも大きく貢献しています。今後もゼンリン社の動向から目が離せません。今回の視察で得た知見をもとに、PCDUAとしても地図データの活用をさらに推進していきたいと考えています。


最後になりましたが、今回の視察にご協力いただいたゼンリン社の皆様に心から感謝申し上げます。





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